【幸福道16】“ヒマワリ” 作戦

 夏のまばゆい太陽、それを分身のように一斉に追うヒマワリの黄色い花たち。私は、このようなヒマワリの花が大好きです。花言葉は“ひとすじの愛”。 コロナ禍で疲弊しきった今こそ“明るい希望”“雑念を払った夢”を想おうではありませんか。死を身近に意識する状況で、“働く事の意味”“幸せの意味”を考えるチャンスを頂けた事がせめてもの慰めです。
 前項でも少し触れましたが、コロナ後の新しい時代に合った“新堀ギタービル船橋”をスタートさせました。駅から少し離れた(徒歩15分程度)住宅街にあり、テレワーク、ステイホームで疲れた人達が、サンダル履きで気楽にやって来られる場所です。
 このビルの下見に行った時に、2階の「貸会議室」を見せて頂きました。窓際にアクリル板で仕切られた長机があり、そこでは皆さんがパソコンのキーを黙々と打っていました。入口付近には小さなロッカーがズラリと並んでいます。この風景から察するに、今この部屋は会議ではなく、人々のテレワーク用のオフィスとして使われているのでしょう。

 現在、特にホワイトカラーの人達にはテレワークが推奨されていますが、誰もが自宅で集中して仕事が出来る環境にあるでしょうか? そのような環境は少なく、困っている人たちが大勢いると思います。船橋の新堀ギタービルは、元のオーナー (学研の先生) が先見の明があったので、2階をテレワークにも対応できる貸スペースにしたのでしょう。
 他、このビルは1階が食材の店、3階が学研の「ひまわり学童クラブ」、4階がビューティーサロン、そして最上階の5階に新堀ギター音楽院が入りました。
 3階の「ひまわり学童クラブ」では学童をあずかってくれます。そして宿題サポートの他、学研教室で国語と算数,語学(英語・中国語),絵画や中国舞踊,ピアノなどを学ぶ事もできます。今までギターのレッスンは行なわれていなかったので、これから新堀ギター音楽院は、「ひまわり学童クラブ」と良い関係を持って、いっそう子供たちにとっても楽しく学べる場所となれれば嬉しいです。
 すぐ近くには、船橋市役所があるというのも大きな利点です。

 以上の事から、ここは街のオアシスとなり、市の生きがいづくりにも協力しやすい好立地であり、“ようこそ生きがいづくりのお手伝いビルへ”というキャッチフレーズを掲げることにしました。
 そしてここには、地元の中学校ギター部出身のギターアンサンブルTwinkleメンバーと、新堀ギター音楽院の創立者でありオーナーの私との写真パネル(今月号の表紙)、それとウィーンでの新堀ギターフィルハーモニーオーケストラの晴れやかな写真を並べ、Niiboriが安心と夢があるブランドである事を示したいと思いました。新堀ギターの先生方は、「ひまわり学童クラブ」の先生方と、きっと仲良くやって頂けると信じています。
 今年の夏に、いくつものビルを見て来ました。昭和のビルは「親しさ」が特徴です。履物を脱いで上がり、人々が寄り添い互いの呼吸で心を分かち合います。一方、平成のビルはノッポで、道路からセットバックをしてのスペースを重視します。

 私は新しいビルを探す時、将来有望な物件ということもありますが、音楽教室を開くのに適しているという視点で探してしまいます。今回は上記の船橋を含め3つのビルを見つけました。

 音楽教室は夢が漂っていなければいけません。
 相武台にも、私のこれからの夢を叶える条件を満たしていて、成功率がとても高い教室ができると感じたビルを見つけました。
 平成のノッポなビルで、道路から一歩引いたセットバックのスペースに、これからの音楽教室の方向性を表わしたいと、私は次の様な夢を描きました。
 ヒマワリの花園をつくり、NiiboriのスターギタリストT君が11弦ギターを抱えベンチにかけ、道往く人々に奏でている様な像をつくり設置する。またはショナミのパンフレットにある写真=海に向かってギターを持ってバンザイをしている像のギターをアルトギターにして、そのヘッドからLED光線を発するものを作って、人々をニッコリ(ビックリ!?)する世界へ導く。ここで使用するギターは新堀ギター工房の米山博貴氏作のヒマワリギター。
 そして高齢者にやさしい、段差なしの1階が教室で、レジェンドの熟音を奏でるギター重奏団(小アンサンブル)が皆さんを迎えてくれます。奏者はヒマワリのようなスマイルいっぱいで、音波が心身に良い新堀ギターのアルトギター、バスギターやチェンバロギターなどで演奏してくれるのです。
 このビルは、小田急・相武台前駅のエスカレーターを降りて駅前通りを渡り、次の交差点を右折してすぐ(徒歩2分)のところにあります。

 来年2022年、65周年を迎える新堀ギターの標語は、“65周年ありがとう!これからも生きがいづくりのお手伝い”にしようと思います。これからの音楽教室は“やって来る生徒さんを待つ”のではなく、“こちらから出向いて幸せづくりのお手伝いをする”という意味も込めた標語です。
 Niibori (新堀ギター&国際新堀芸術学院)の演奏者たちは、国際新堀芸術学院のホールはもちろん、教室の他、様々な場所で演奏を行なっています。
 相武台も船橋のビルも、ビル内ではもちろんの事、近隣のマンション,町内会館,学校,市の施設など演奏の場が多い地域でもあります。
 私の大好きな「ヒマワリ」は相武台がある座間市の“市の花”だそうです。ですから新堀ギターが、ヒマワリ重奏団や合奏団をたくさん作って、市にも貢献出来たら嬉しいです。毎年行なわれる市のヒマワリ祭を、市民ヒマワリギターオーケストラが応援できたらどんなに楽しい事でしょうか。
 ここまでの夢を私はこのビルに描いたのですが……。

 現在、新堀ギター(本部)ではコロナ禍もあり、新教室開校は困難との事。
 残念ですが、どなたかこの相武台のビルを生かし、生きがいづくりに寄与して頂ける方に入って頂けたらありがたいと、テナントの募集も開始しました。

 さて、最近の報告から分析して、「ギターを始めてみたい」とネットで新堀ギターを検索してもレッスン料金がネックとなり、入学を断念してしまう人も増えているようです。大人の個人レッスン料金が月額約1万円は高い方ではないのですが…。
 しかし、それで断念してしまう人がいる事は、“心の糧になる音楽を全ての人々へ広めよう”としている新堀ギターのモットーに合いません。
 ですから新堀ギターには様々な方に対応できるコースがあります。あまりにも多彩で全てをホームページでは紹介できていないので、お問合せ頂ければと思います。
 新堀式(新堀メソード)の各種音域ギターは高音から低音域までの、サイズも特徴も様々なギターがあるので、老若男女を問わず、好みも含めてその人に適したギターを見つけやすいです。そして、独奏ばかりでなく、初めての人もすぐに参加でき、人々の輪を広げる事ができる新堀式の合奏は、多くの人々の生きがいともなっています。また複数の人、合奏指導では、各人のレッスン料は安価にする事ができます。
 新堀式のギター合奏は海外にも広がっていて、本誌に掲載されている合奏譜を海外の人達も演奏しています。今や国内外にNiibori(新堀式)で楽しむ人々の輪が広がっていて、オンラインで交流したり、それぞれの国のギターフェスティバルに参加する事もあります。コロナが終息すれば、合奏はますます人々の生きがい、希望の光となっていく事でしょう。

 現在、日本は高齢社会です。趣味の教室もフラットな1階かエレベーターがある事が必須となって行くでしょう。そして、現役を引退された方こそ、老若男女で楽しめ、心の触れ合いがある新堀式のギター合奏を楽しんで頂きたいと思っています。
 身体の老化による不便さ辛さは、元気な若い人たちには、なかなか理解してもらえません。
 年齢を重ねたからこそできる芸術的表現や感性はありますが、筋肉,視覚,聴覚の衰えは多くの人が中年から感じるようになります。50~60代で階段を上がるのが辛くなって行く人も多いです。
 87歳になった私は、役所に行き、印鑑証明書を頂こうと申込書を見ると、文字が小さく薄く、とても見づらくて老眼鏡+虫眼鏡が必要でした。他にも役所の書類は見づらく、内容も分りにくいものが多いと感じます。これは役所にお勤めの人は若い人が多いので、中高年齢の人達の不便さが理解できていないのでしょうか。パソコンやネット、携帯電話の説明も横文字ばかりで理解しにくいです。令和の現在は、やたらと横文字が使われています。ソーシャルディスタンスという言葉を聞いた時、皆さんはすぐに理解できましたか?
 高齢社会なのに高齢者が暮らしにくさを感じる現在の日本。あらゆる組織のあらゆる場所に、できれば85歳以上の人を配して、その意見を聞いて反映して欲しいものです。

 「幸福道」 は90歳、110歳の人も、幸せに歩める道づくりでないといけないと私は思っています。