20世紀の人災(戦争)による死者数は6600万人で、これは地球を傷めつけ、人々の心の不幸も非常に招きました。
このような事態からの再生のカギは、世界の人々が「地球は一家」の意識をもっと強く持つ事です。それには日本がリーダーシップをとるのが最適ではないかと私は思います。なぜなら日本人は本来、あらゆるものに感謝する習慣,精神を持ち、それによる幸福道を知っているからです。
古代日本に起源をたどることが出来る神道は、八百万の神で示されるように多神教で、自然の太陽,空,海,山,風,水,火,土,木、また品物や台所やトイレにまで…、とにかくあらゆる神様がいて、日本人は畏怖と敬意、感謝の念を持ってきました。この様に日本の宗教の大本が多神教なので、海外から他の神様や文化を受け入れる事にも、一神教の国に比べれば抵抗がなかったようです。元々、八百万も神様がいらっしゃるのですから、多少増えても…(笑)。
この事から、「地球は一家」「人類は皆兄弟」を実現するには、日本育ちのリーダーが適しているのではないかと思うのです。
しかし、オリンピックの基本コンセプトの一つである「多様性と調和」で、ジェンダーの問題に関して日本はG7の中でも遅れていて、そこは残念な点です。これも改善できれば、日本の平和思想をより多くの人々が認識し、受け入れてくれるのではないでしょうか。
資本主義をつきつめて行くと、富の配分が偏り過ぎる事になり、社会主義は専制主義や独裁主義など権威主義になりやすく、また特定の宗教(一神教)が強くなりすぎると、異教徒との溝が深まります。
日本人の良いところであり悪いところでもあると言われるのが「事なかれ主義」です。これは「何事も波風を立てずに平穏に過ごしたい」という事ですが…。地震,雷,火事,(おやじ!?)と、日本はとても自然災害が多い場所であり、この地で生きて来た日本人のDNAには、この事からも多神教や「事なかれ主義」、忍耐力,不屈の精神,再生力が刻まれたのだと思います。
世界で唯一、戦争での被爆国であり、幾度もの大震災からも立ち上がり、苦難な中でも助け合い、人間力を失わない思想を有して来た民族なのです。この精神ならば必ず“地球は一家”は構築できると思うのです。
西洋の音楽(ドレミファ)をベースとした我らが新堀ギターアンサンブルとギターオーケストラは、日本はもちろんアジア(中国,東南アジア等)と欧米で公演を行ない、次々に感動のスタンディングオベーションを実現する事ができました。日本の曲を中心として“地球は一家”を願う事を前面に出したコンサートも行ない共感して頂けた事も多いです。
現在の地球では、安全で清潔な水,食糧,医療他、様々な事に恵まれず、紛争(内戦・戦争)もあるために平均寿命が50代の国もあります。
UNFPA(国連人口基金)が発表した2021年版の世界人口白書によると、平均寿命が最も長い国(地域)は日本と香港で85歳(男女平均)。男女別では、男性が82歳で、日本の他9ヵ国が1位に並んでいます。 80歳以上は26ヵ国あり、世界平均は71歳。 また、女性は日本と香港が88歳で1位。 80歳以上は75ヵ国あり、世界平均は75歳。このように日本は男女とも平均寿命が世界トップなのです。
1976年42歳の時、「ギターは昔から独奏が本道で、合奏は邪道だ!」と日本ギター界の先生から言われた私は、ギター合奏のルーツを探しにエジプトに行きました。エジプトと言うと砂漠のイメージが強く、ジープやラクダを使っての移動かと思われますが、この旅では船で移動する事が多く、驚く事ばかりでした。
ある日、小さな湖での事です。そこには黒っぽい水面が広がっていました。近づいてみるとギョッ!としました。なんと魚がぎっしりとぶつかり合っていて、黒いカーペットを敷き詰めたかの様に見えたのです。
「なんと魚に恵まれた湖なのだろう、ここの名物料理は魚だな…」と日本人ならば、そのように思うでしょう。
ところがです。この付近の村では餓死者が続出していると言うのです。
「あの魚には毒があるのか?日本人は猛毒のフグさえも調理して食べてしまうのに…」と思っていたところ、なんとこの地域には“魚を食べてはならない”という信仰があり、漁業も加工業も存在できないとの事でした。そして特上の食料は“蛇!”との事で、私たちの夕食には蛇料理が出ました。私は魚料理の方が良かったのに…。
世界には、牛肉や豚肉、また肉(魚も)は全て食べてはならない文化や宗教もあり、輸血をしてはならない宗教なども存在します。日本でも、牛肉を庶民が食べるようになったのは明治時代ですし、また仏教は本来、殺生禁断で肉食はしない事になっているので…(宗派にもよると思いますが、現代の日本の僧侶は肉食妻帯、そして飲酒もできるようです)あまり強くは言えませんが、なによりも人命を尊重して、各国の宗教(哲学),科学,教育,諸々の分野がグローバルな視野で人々の幸福を構築する事=幸福道をベースに地球再生・改革を強く考えて頂きたいと思うのです。
“人類が生きる幸せ”にとって現在の最大の課題は「感染症」「自然災害」と「戦争」です。
まず先日のG7(先進7ヵ国首脳会議)サミットでもテーマになった“新型コロナウイルス禍からのより良い回復”は、世界が一丸となって立ち向かっているものであり、少しずつですが改善の兆しが見えてきたように感じます。
そして「自然災害」。現在、世界的に異常気象による未曾有の災害が増えています。これは地球温暖化が影響している事も多く、G7サミットでは、2050年までに温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量を実質ゼロとする目標が掲げられました。人間による環境破壊は、森林破壊や酸性雨,オゾン層の破壊,大気汚染,地球温暖化,土壌汚染,海洋汚染,水質汚濁…これらは、気象や生態学的均衡に強い影響を及ぼすところにまで来ています。
「戦争」は、人命が尊重されない事はもちろん、地球環境,ライフライン,文化遺産の破壊などなど…マイナス面しか私には見えません。利益を得るのは武器商人だけでしょう。もしかすると戦争を企てているのも武器商人たちかもしれません。
この様に多くの問題があるのですが、次に私(政党,宗教,工業,軍事に関与していない)の幸福道を世界に敷き詰める方法の一端を述べたいと思います。
まず「国連をもっと強化充実」させ、“地球は一家”を実行する強力な世界政府を樹立します。現在の国の意識を無くし、州や県の組織にする。軍事設備に費やす資金を用いて、世界最先端の新しい国連軍を結成し新政府の維持をする。各州,県は核兵器をはじめ、戦争のみにしか使用できない武器を持つ事を全て禁止する。
各州の旧軍(日本だと自衛隊)は、強力な「地球救援隊」に変える。世界全域に「地球救援隊」を徹底配備して、大災害には旧国家の壁を無くして現在の10倍100倍1000倍で支援する。
人命救助,災害復興の詳細な技術修練は、旧軍事施設を全て攻撃用から救援用に改める。
人材はどの州も19歳20歳の男女が加わり、人助け,国(州)助けの知識や技術を学ぶ。どのような環境で育った男女も平等に、この貴重な体験で人命の大切さ、人としてのマナー、「幸福道作りの基本」を身につける。それらがマスター出来た人には、その証明を成人証として授与してから社会に送り出す。
また2021年現在、F35Bステルス戦闘機が最も優れているとされています。滑走路がほとんど不要で、ステルス性(レーダーに捉えにくい)にも優れ、スピードも抜群らしいです。これを救援機に活用すると上下動の機能とハイスピードで多くの命が救えるでしょう。
そして、賛否が問われているオスプレイ機ですが、日本の様に平地の少ない国では、救援機の主流になれる可能性があります。不具合を改善して大いに活用すべきだと思います。超大型のオスプレイ機は、集中治療室が設備された機にして、高山や孤立してしまった災害地に飛べれば、現在の人命救助体制を画期的に改善する事ができるでしょう。上下発着飛行から水平飛行も可能な救援機の開発が、島国で山が多い日本には必要だと思います。上下飛行可能で水陸両用(特にホバークラフト)機の開発もできれば更に良いです。
温暖化が進んでしまった現在では、今までにない巨大台風,竜巻,津波,大規模な多発火災が発生する確率が高く、ガスの配管,ガスボンベ,そしてガソリン車は極めて危険です。加えて電線・電柱が多い場所、木造の住宅密集地は、巨大地震が来れば大火災が発生し甚大な被害をもたらしてしまいます。
大火災を回避するために、個人では出来ない事もありますが、出来る事もあります。その一つは、ガソリン車ではなくEV車(電気自動車)にする事です。現在はガソリン車に比べEV車は高額ですが、購入時には国の補助金や都道府県などのサポートもあります。このサポートももっと強力にして、EV車の普及を一層早く進めて欲しいです。
国や企業でも様々な問題があるとは思いますが、人々の安全を考えるのであれば、ガソリン車は廃止にするべきです。すでにEV車は世界の主流になりつつあり、安全性,走行距離,経済性,静寂走行性に優れているだけでなく、CO²ゼロで地球環境に優しいです。
また爆発力の強いガスを運ぶガス管がビル街や居住地に張り巡らされている事も、地震の多い日本では非常に危険極まりないと感じます。
2011年の東北大震災の後、新校舎=国際新堀芸術学院・藤沢本館(2013年竣工)建設を決めた私は、新校舎を設計する時に、上下の振動はもちろん、ひねりのある揺れにも強い構造にと依頼しました。それはコマの様に軸を中心にし、階段を出来る限り外側に配置した免震構造で、これは国宝の五重塔の原理を活用したものです。ガス管は国道までで止め、ビル内には一切引き入れていません。また、ビル内の駐車は原則として爆発炎上の恐れの高いガソリン車の入庫は2021年度から原則、禁止するように告げています。
ここにはEV車専用の複数の充電コーナーも設備してあり、私の車は勿論、秘書の常駐車もEV車を常としています。私達が使用している日本やドイツ製などの現在のEV車は大地震でつぶれても爆発の危険は極めて低いです。またこのビルの屋上には非常時用(自家発電)のソーラーパネルもあり、水等の備蓄もされています。
このように安全面に配慮した校舎なので、旧校舎での緊急避難は「学生も職員も校舎の外に退避」でしたが、今は校舎内に避難する方が安全です。
安全面だけでなく、音楽学校としての工夫もたくさんしてあります。これは別の機会に紹介していきたいと思いますが、校舎内の新堀ギター工房一つをとっても、住宅が多い場所のギター製作工房ですので、粉塵や塗装のにおいの排除に加えて、外部から取り入れた空気も入口の所で浄化し、きれいになった空気を工房内に取り入れるようになっています。
人々の「健康での幸せづくり」の大前提は、やはり「水」と「空気」をきれいに保つ事です。 私は人々の「健康長寿での幸せづくり」に少しでも寄与出来ないかを常に想って来ました。
ガソリン車をやめた事もその一つですが、今は、ある研究に投資しています。それはガソリンエネルギーより、はるかに安全でクリーンなのは「電気」ですが、更にその先の、圧縮空気が戻る時のエネルギーで車が走れないかという研究です。
鉄やアルミの重たいかたまりである電車のブレーキは圧縮空気で車輪を止めています。圧縮空気を作るのにコスト(エネルギー)がかかるので、それを車には応用出来ていなかったのです。
しかし、今度購入したBMWのEV小型車は、とても軽くて丈夫で、夢の様な走りです。前述の研究開発者は、圧縮空気の戻る時の力をロスなくする事にギリギリで達したようです。戻る力で再び圧縮し、わずかでもそれが勝れば永久にエネルギーを得て走り続ける事が出来るのです。夢はすぐそこです。