【90歳夢道4】心と体の同時活性化術 (3)

ニイボリスタジオで講演された新堀寛己先生(写真 右)。
  スタジオ左の壁一面は鏡で、正面の壁はスクリーンとして使用できます。
 最近のテレビ番組は、まるでお祭り騒ぎのような派手な背景が多く、目がくらんでしまいます。
 長期に亘るあの世界大戦が終わり、やっと光が見え始めた時の番組ならば、人々を元気づける賑やかな背景も理解できます。しかし現在は、物が溢れ、様々な色に満ち溢れている時代です。それなのに、ニュース番組でさえシンプルではなく、テロップが上下左右に流され、慌ただしくて落ち着いて番組を観ていられません。これでは肝心な内容がボケて、心や脳に留まり難いので、私は文字を自分のペースで追える新聞回帰となってしまっています。
 このような事もあり、新しい本厚木のニイボリスタジオ(新堀ギター本厚木教室)の背景はシンプルにして、“演者(人)が映える・目立つ”、落ち着いてコンサート等を鑑賞できることを目指しました。
 壁も天井も白色を基調にしました。スタジオの照明も白系です。これですと、演奏者の衣装はもちろん、奏者の表情も鮮やかに際立ちます。特に「スマイル」は、心に沁みるほど映えます。
 ギリシャ神殿風デザインの太めの柱は溝内のみ金色にしました。
 この堂々とした神殿風柱からは「静」「重」が感じられるので、人の小さな動きも鮮やかにします。
 そして金色の燭台のキャンドル型ブラケットライト(ロウソク型壁掛け照明)をカットミラーで反射させて、古(いにしえ)の灯(光)のぬくもりを添えました。このギリシャ神殿風柱とキャンドルライトのデザインは、ヨーロッパの伝統あるコンサートホールや国立劇場を模しています。
 この雰囲気の中で、チェンバロギターはもちろん、エレキギターでさえ落ち着いて演奏できるでしょう。気が散らず、演奏者には嬉しいデザイン・照明だと思います。

 ダンスも映えるデザインです。
 東側の壁は、床から天井まで鏡にしました。これはスタジオを広く見せる効果もあり、ダンスの動きも充分にチェック出来ます。この鏡の設置も、わずかな狂いがあると、不自然に見えてしまうので、これを施工した職人さん達は繊細に作業されたと思います。
 それからダンスでは、専用のダンスシューズを使用する事が多いです(フラダンスは裸足ですが…)。社交ダンスのシューズは軽くて、足にピッタリとフィットし、靴底は滑りにくく、かと言って自分の意志で回転する事も可能というもので、足を使うアーティスト…例えばオルガニスト等…にも愛用され、私(指揮者)もステージで使用しています。ダンスの服装は、動きやすければどのようなものでも構いませんが、自分にフィットするマイシューズだけは欠かせません。しかし、これをレッスンのたびに持参するのは少々手間です。教室に置いておければ、いいですよね。
 そこで、ここには大切なマイシューズを保管できる鍵付きのシューズボックスを作りました。中を2段に仕切り、貴重品やスリッパも入れられます。
鍵付き、ワインカラーのシューズボックス
    そしてここの色は、ニイボリスタジオは音楽やダンスを楽しむオシャレな空間で、基調の白と金色にも合う、深みと艶のある「ワインカラー」にしました。これは受付のカウンターと同色です。
 受付カウンターには、アンティーク調の可愛らしいスタンドライトを置きました。スタジオの照明を消しても、この照明だけは灯るように、電気の配線は別にしました。
受付けカウンターに置かれたアンティーク調のスタンドライト
 音響(PA)も各イベントや映像に合わせたサウンドが出せるようにしました。
 照明は、白色やキャンドルライトの電球色のみで、光量の強弱が調整できるようになっています。光量が増しても、お客様が眩しくならない配慮もされています。これらの設備は、ここを施工してくれた岩﨑チームに設計の段階から頼みました。
 スピーカーは私が何度も聴いて選びました。指向性強いものにし、後席の人も満足出来るものを設置しました。色はクラシカルな味を損なわないように、壁の色に合わせて白色にしました。
スピーカーとギリシャ神殿風の柱
 映像を映すスクリーンは、2つのギリシャ神殿風柱の間の壁いっぱいがスクリーンになるように、何度も打ち合わせをして完成させました。
 テストで、ウィーンのムジーク・フェライン(楽友協会)黄金ホールで演奏した新堀ギターオーケストラの映像を流したのですが、それを観ていた人から歓声が上がった程の出来です。特にあのツアーに参加した人は、ゾクゾクする程リアルに感動が蘇るはずです。
 このスクリーン右側には2つの個室を作りました。ここも幾つもの難題がありました。
 ダンスをする人達は着替えが必要です。そのための設備は細かい配慮が必要です。鏡の大きさと位置、持物台など。
  それに大フロア=スタジオの全ての椅子などを片づけられる収納場所が必要であり、衣装の収納も合わせて工夫が求められました。
 ダンスをする所という雰囲気を大切にしたレイアウトを心掛けました。
 それにここは、音楽のレッスンをして、演奏や講演をする所でもあるのです。
 ですから、大フロアと個室の壁は防音にして、空調の音にも配慮し、ドアも鍵穴からの音漏れやドアの取手にも気を配りました。防音のために、個室と大フロアの間には段差ができてしまいました。2つの個室は着替えなどのために男女別の使用が出来るだけでなく、個人レッスンや練習室としても使え、個室の両方でレッスンを行ない、大フロアを待合・練習室として利用することも出来る設計にしました。また、エレキ系の人達のための設備や配線もしました。

 そして、ここは 「ヒマワリ合奏団」 の本拠でもあります。そのための幾つもの配慮もしました。個室一つの名称を 「ヒマワリルーム」 として、合奏団用のものを設備しています。私は2点のフランスの名画「ヒマワリとこども達の絵」をプレゼントしました。心が温かくなる絵です。
ニイボリスタジオに飾られたヒマワリとこどもの絵の1枚
 ヒマワリはいつも太陽の方を向き、一途な愛、平和心を熱く表わしています。あのウクライナの国旗の黄色の部分は、ヒマワリの大草原=平和心を表わしているそうです。
 Nメソードは、誰もがすぐ仲間になれて、ジャンルを超えて楽しめるメソードです。合奏団はその象徴です。
 花は心が癒されます。私は一輪の造花をトイレの案内板の代わりにしました。
 このような夢いっぱいの本厚木教室「ニイボリスタジオ」が、街のオアシスとなれる事を願っています。