〜創立者・新堀寛己が歩んだ道〜
こんにちは!
みなさんは、街中で「新堀ギター」の看板を見かけたことはありませんか?
2023年には、この「新堀ギター」の看板がガチャガチャになったことでも話題になりました♪

今回は、その「新堀ギター」がどのようにして生まれたのか、創立者・新堀寛己の「はじまりの物語」をご紹介します♪

- 新堀 寛己(Hiroki Niibori)
- 1934年(昭和9年)4月17日生まれ
東京都麻布出身 ※2025年3月現在:90歳 - 「新堀ギター音楽院」創立者
- 株式会社新堀ギターアカデミー 代表取締役会長 兼 代表取締役社長
- 学校法人 新堀学園 国際新堀芸術学院 理事長
- 新堀ギターオーケストラ創始者・指揮者
新堀先生はいつ、どのように「新堀ギター音楽院」を創立したのでしょうか
すべての始まりは「たった4畳半のバラック小屋」からでした・・・。
1957年4月、新堀寛己(にいぼりひろき)23歳。
青山学院大学を卒業したばかりの新堀先生は、城石高等女学校(現・文化学園大学杉並高等学校)の教員として勤め始めました。

東京・阿佐ヶ谷の自宅はもともと3部屋しかない小さな家。
床の間を改造した約1畳の外壁を壊し、地面に丸い石を4つ置き、ベニヤ板で壁を、トタン板で屋根をこしらえ、4畳半の「バラック小屋」として増築しました。
4畳半の掃き出し窓の横に「新堀ギター音楽院」という手書きの看板を掛けました。

☆印の所に幅10㎝、長さ45㎝ほどの看板を付けました♪
看板の素材は、近所の八百屋さんからもらったリンゴの木箱を分解し、板を1枚かんなで削り、自分で書いたものです。
「音楽院」と呼んだ理由
質素なバラック小屋に「音楽院」と名付けたことで、周囲からは大げさだと笑われました。
しかし、新堀先生の中には強い思いがありました。
「単にギターの弾き方を教える所ではなく、ギターを通して音楽全般の本質を学ぶ場をつくるのだ」という意気込みがありました。
その想いを「音楽院」という名前に込めたのです。
音楽院創立の翌年、1958年(昭和33年)に立てた看板には、「心の糧になる音楽を!」というフレーズを大きく記しました。
以後、「心の糧になるよい音楽をすべての人々へ」は新堀ギターのモットーになりました♪

ところが生徒は1人も来ません
看板を掲げたバラック小屋は、祖父宅の敷地の一角、広い庭の奥にありました。
通りから看板は、まったく見えなかったのです。
1ヶ月経っても生徒さんは、1人も来ません。
見えない場所に看板があるから生徒が来ないのだということは、ずいぶん後になって気付きました。
でも、しばらくの間は「どうして誰も来ないんだろう」と不思議に思っていた新堀先生は、「そうだ!音楽院の存在を多くの人に知ってもらおう」と生徒集めのビラを街に貼ることを思いつきました。
初ボーナスで買った謄写版!
ちょうど就職先から初ボーナスをいただいた新堀先生。
そのお金で「謄写版(とうしゃばん)」一式を購入します。
ロウ紙に鉄筆で「クラシックギター 新堀」と住所をガリガリと書き、B4判のわら半紙に1回30枚くらい印刷します。
※当時はまだ電話も引いておらず、連絡先は住所のみでした
そして、うどん粉を煮て、のりを作ります。
まだ温かいうどん粉のりをバケツに入れ、自転車で街へと出発します!
貼るのは主に電柱です。

※新堀ミュージアム室長 作♪
当時の電柱は、丸太で表面は、でこぼこ。腐食したものもありました。
そこにハケでのりを塗り、ビラを貼ります。
貼り終えると、心が晴れ晴れとした気持ちになり「いい生徒さんが来るといいなぁ」と思ったそうです。
ある晩、ビラを貼っていく内に阿佐ヶ谷駅に到達しましたが、駅には貼れる場所が見当たりませんでした。
それならばと改札を出た所の地面に貼って帰りました。
早速翌日、警察に呼ばれて叱られた新堀先生・・・。
しかし、この時代のビラが現在のメラミン看板の元祖なのです!
1966年(昭和41年)
4畳半のバラック小屋から始まった東京・杉並区の阿佐ヶ谷本院は、何度も増改築を繰り返し立派になっていきました♪

もっと詳しく知りたくなった方♪
詳しくは、新堀寛己著「愛のサウンドを広めて」を是非読んでください♪
- 「新堀先生がどこで生まれ、どのように育ったのか?」
- 「学生時代は? 恋愛や結婚は? そして『新堀ギター』はどのようにして形になっていったのか?」
そんな気になる「新堀寛己」先生の全てが、この一冊にギュッと詰まっています!

新堀楽器Web Shop
※その他、各購入サイトでもお求めいただけます♪
新堀先生の情熱から生まれた「新堀ギター」の音楽の輪は、これからも広がり続けます。
次回のハーモニーブログもぜひお楽しみください♪
※この記事は、月刊ハーモニー2025年640号(3月)「NIIBORI ミュージアムニュース No.10」、「今月の表紙」、新堀寛己著「愛のサウンドを広めて」を基に作成しています。