2024年9月8日(日)「新堀ギターオーケストラ公演2024」が開催されました♪

ギターオーケストラの創始者・新堀寛己先生、90歳のタクトを振る!

2024年9月8日(日)、神奈川県「やまと芸術文化ホール・メインホール」にて「新堀ギターオーケストラ公演2024」が開催されました♪

新堀ギターオーケストラ、通称「Nオケ」は、なんと今年で結成67年を迎え、長年にわたり多くのファンに愛されてきたギターオーケストラです。

今年の公演は、90歳を迎えた「新堀寛己」先生が指揮をとられ、さらに5人の高弟指揮者たちも登場!

国内外から集まった奏者による「ワールドグランドギターオーケストラ」のステージが繰り広げられ、会場は感動に包まれました。

「新堀ギターが今日まで続けられたのは、人と人とのつながりを大切にしてきたおかげです」と、温かいトークで感謝の思いを伝えた新堀寛己先生 

※今回の公演は、文化庁の子供文化芸術支援事業に選ばれ、小学生から18歳未満の方を無料でご招待しました。

未来を担う若い世代に音楽の魅力を届ける、特別な機会になりました。

音楽の楽しさが今回の公演を通して、たくさんの若い世代に響いていたら、とても嬉しく思います。

大団円の終演で迎えた、感動のカーテンコール 

音楽の余韻をもう一度…当日のプログラムをご紹介♪

(敬称略)

・ 序曲「ポンテ・フェリーチェ」(畑中 雄大)

オープニングを飾ったのは、天才作曲家・畑中雄大の作品「ポンテ・フェリーチェ」でした。

この曲は、新堀ギターオーケストラのイタリア公演のために特別に献呈され、「幸せの架け橋」を意味するタイトルが、国際親善公演にふさわしい響きを持っています。

指揮は、畑中氏の師匠であり台湾を拠点にギターオーケストラを世界に広める活動を行う寺田和之氏が担当。

演奏が始まると、まるで幸せの架け橋が心に架かるかのような感覚が会場を包みました。

寺田 和之 指揮

・フルート協奏曲第2番ニ長調 K.314より第1楽章・・・W.A. モーツァルト(新堀 寛己 編)

モーツァルトの名作、オーボエ協奏曲から編曲されたこのフルート協奏曲は、気品と軽やかさに満ちた旋律が特徴です。

1992年の中国公演で、中国竹笛の名手・葉紅旗氏との共演が話題を呼び、新堀ギターアンサンブル(NE)との融合が新たな可能性を示しました。

今回の演奏では、フルートソロの浜川慎司氏と、指揮の田口尋夢氏との再演が実現。

フルートの豊かな音色とギターアンサンブルが美しく調和し、モーツァルトの世界を新鮮な響きで表現しました。

田口 尋夢指揮

・チェンバロギターアンサンブル:きらきら星変奏曲 K.265・・・W.A. モーツァルト(黒田 康子 編)

モーツァルトの「きらきら星変奏曲」は、フランスの童謡「Ah! vous dirai-je, Maman」を元にした、優雅で遊び心あふれる作品です。

シンプルなメロディに12の多彩な変奏が加えられ、聴く人に驚きと喜びをもたらします。

今回の演奏は、通常のピアノやハープシコードではなく、ニイボリメソードのチェンバロギターアンサンブルによるもの。

独特の響きが、楽曲に一層の深みと輝きを添え、音楽の魅力を存分に楽しませてくれる演奏となりました。

・DANROK:「花笠音頭」(畑中雄大)

日本民謡「花笠音頭」は、山形県の伝統的な祭り唄で、「ハァ ヤッショー マッカショ」のかけ声が印象的です。

宮城県出身の作曲者・畑中雄大氏がアレンジを施し、Danrokならではのアプローチが光る演奏となりました。

プライムチェンバロギターが三味線の響きを模し、ロック調のテーマが加わることで、邦楽とロックが融合した斬新な魅力を放っています。

※2016年の初演以来、学校のギター部や音楽学校の生徒たちに広く愛され、Danrokの3rdアルバム『ウィリアム狂』にも収録。ライブでの息づかいも楽しめる、珠玉の一曲です。

・NRM「長篠」(いしづかまさとし作曲)

1575年、三河で繰り広げられた「長篠の合戦」をテーマにしたこの曲は、戦国時代の革新的な鉄砲戦術をギターオーケストラで表現しました。

鉄砲隊の連射音や、戦場の緊迫感を再現するギターの奏法が特徴的で、戦闘の始まりから終息までの激しい動きを描写しています。

特に、ギタロンやコントラバスギターが描く遠くから聞こえる地鳴りや、フォークギターで表現された武田軍の先陣、プライムギターとスネアによる鉄砲音が戦場の緊張感を引き立てました。

戦いの終息後、フラメンコギターと篠笛が死者の霊を表現し、平和への祈りがトレモロ奏法で奏でられました。

作曲者・指揮者の石塚政俊氏による深い理解と新たな表現が、この壮大な作品に新たな魅力を加え、聴衆に深い感動を与えました。

石塚 政俊 指揮

・「花宴」(百瀬 賢午)

「花宴」は、千年を超えて人々に愛され続ける「源氏物語」にインスピレーションを得て、作曲家・百瀬賢午氏が生み出した楽曲です。

紫式部の壮大な物語の中から、第8帖「花宴」のエピソードを題材にしました。

光源氏が20歳の春、桜の花宴で出逢った朧月夜との情熱的で官能的なエピソードが、この曲の核となっており、その妖艶さと華やかさが見事に表現されました。

朧月夜は、光源氏や春宮の運命を翻弄する魅力的な女性で、その存在感が楽曲全体に強い印象を与えました。

2003年に初めて発表されたこの曲は、その後も改良が重ねられ、2007年には寺田和之氏のアイデアで「大地の幻想」の雅楽のモチーフが加わり、平安の雅やかさがさらに増しました。

2012年には新堀寛己氏の発案で、本物の笙と舞が加わり、楽曲はさらなる進化を遂げ、聴衆に深い印象を与えました。

この「花宴」は、百瀬賢午氏の創造力と新堀グループの情熱が結実した作品であり、日本の美と精神性が厳かに、そして煌びやかに響き渡りました。

百瀬 恭子 指揮

・バロック風 日本の四季より「春」全楽章・・・(早川 正昭)

日本の美しい春をバロック音楽の様式で表現した珠玉の作品です。 

ヴィヴァルディの《四季》にインスパイアされ、早川正昭氏が選んだ「花」「さくらさくら」「春が来た」を組み合わせた3楽章の作品です。

早川氏のバロック音楽への深い理解が色濃く反映され、特に「春」は多くの演奏会で親しまれてきました。

ギターとチェンバロギターの美しいハーモニーは、聴衆に日本の春の情景を鮮やかに描き出しました。

指揮は、長年新堀寛己氏のもとで研鑽を積んだ小山清氏が担当し、その深みと豊かさをもたらしました。

※2024年8月20日、作曲者の早川正昭氏が90歳にて他界されました。氏の生前の多大なる功績と私達の受けた恩恵に深く感謝申しあげますとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

小山 清 指揮

・新堀ギター女性四重奏団「ドリマーズⅣ」:愛しのクリスティーヌ~愛のコンチェルト・・・P.セネビル&Q. トゥッサン(小林 秀明 編)

1974年、新堀寛己氏が率いる「ザ・ドリマーズ」は、ロンドンのパーセル・ルームで大成功を収め、日本人音楽グループとして新たな歴史を刻みました。

1983年には、新堀ギター女性四重奏団(女四)が誕生し、初演されたのがこの「愛しのクリスティーヌ」です。

アレンジを手がけた小林秀明氏は、新堀ギターアンサンブル(NE)や新堀ギターオーケストラ(Nオケ)の名アレンジャーとしても知られ、その技巧が光ります。

ドリマーズのレパートリーは数多くありますが、特にこの曲はその中でも代表的な存在であり、CD化もされています。

この美しいサウンドは、初代ドリマーズのセゴビアトーンを最も受け継ぎ伝統を象徴し、現在のドリマーズⅣ世に引き継がれていきます。 

・ギター協奏曲 ニ長調 R.V.93 第一楽章・・・A. ヴィヴァルディ(新堀 寛己 編)

この名曲は、新堀メソードと新堀ギターオーケストラ(Nオケ)を世界に広める大きなきっかけとなった作品でした。

原曲はギターソロと管弦楽の協奏曲で、1960年代から続く伝統的なレパートリーの一つです。

1966年には、新堀寛己編曲による「ニ長調の協奏曲」がキングレコードからリリースされ、ギター音楽の新たな可能性を示しました。

新堀ギターオーケストラ(Nオケ)は、世界的なギタリストたちと共演し、数々の名演を残してきました。

今回の舞台では、新堀寛己氏の指揮のもと、国内外の歴代のソリストたちが一堂に会し、新堀寛己氏の90歳を祝して演奏されました。

この名曲は、これからも永遠に愛され続けることでしょう。

新堀 寛己 指揮

・W.M.(ワム)80(「ワンダフルモーニング」のテーマによるピアノコンチェルト)・・・大宮 哲

新堀寛己作曲の「ワンダフルモーニング」は、心を元気づける応援歌として長年愛され続けてきた名曲です。

そのメロディーは、音階とアルペジオが調和し、一度耳にすれば心に深く刻まれす。

新しい一歩を踏み出す時に、これほど心強い曲は他にありません。

この作品は、ピアニスト大宮哲氏によって生み出され、”W.M.80″として不朽の名作へと昇華されました。

ソリストの古賀夏美さんとギターアンサンブルGraceは、オーケストラの前に並び、それぞれの魅力を存分に引き出しました。

古賀さんは、その卓越した技術で「ワンダフルモーニング」に新たな輝きを加え、感動を届けました。

タクトを振った新堀寛己氏の指揮で、この曲でコンサートを締めくくることは、特別な瞬間でした。

新堀 寛己 指揮

最後に、皆さまのご来場に心より感謝申し上げます

新堀ギターオーケストラのコンサートにご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました!
お客様と音楽を通じてつながり、共に素晴らしいひとときを過ごせたことに、心から感謝しています。

皆さまの温かい拍手や笑顔が、私たちにとって何よりの励みとなり、大きな喜びを感じております。


これからも、皆さまに感動をお届けできるよう、さらに精進してまいりますので、どうぞ引き続き応援をよろしくお願いいたします!


次回のコンサートでまたお会いできることを楽しみにしています!♪

そして、今回のコンサートを素晴らしいものにしてくださった出演者の皆さまの名前は以下の通りです。

彼らの演奏と情熱が、会場全体に素晴らしい音楽の響きを届けてくれました。(敬称略)

♪音楽総監督・指揮

新堀 寛己

♪指揮

小山 清

寺田 和之

石塚 政俊

百瀬 恭子

田口 尋夢

♪コンサートマスター

田口 尋夢

♪1st アルトギター

藤尾 ゆにか

百瀬 恭子

黒田 康子

間宮 優佳

久保田 智子

鈴木 達也

井堀 夢月

秋山 嵐之輔

寺田 和之

寺田 あゆみ

堺 大夢

小山 清

西川 満志

高村 浩二

大宮 美恵子

島津 千賀子

西川 真史

趙 柏群

中瀬戸 雅子

小川 祥子

池田 まゆみ

荘田 和眞

吉田 莉依那

♪2st アルトギター

畑中 知里

佐藤 ますみ

岩崎 美由紀

野﨑 莉穂

松尾 浩介

枝本 彩希

足立 ゆかり

住吉 靖代

田部 涼子

♪プライムギター

田口 洋美

林 真也

大野 亜由美

三浦 謙斗

大泉 未来

信太 美紅

吉澤 克哉

田湯 皓太

中谷 貞夫

坂本 巧

吉田 佳正

川崎 壽男

臼井 忠雄

金井 栄

圓山 樹輝

清水 希望

ツェジャリーシュトロコシュ

トーマス リヤウ

翁 子茵

♪バスギター

山本 久子

畑中 雄大

太田 秀治

岡村 里美

沼垣 柊

小林 秀明

湧井 雅己

宮永 則子

石橋 美念子

平松 恵

♪コントラバスギター

高垣 淳

芳賀 洸斗

大田 敬子

高井 友良

♪ギタロン

田中 重次

宮田 詩穂

曵地 大輔

川平 澄人

福谷 則幸

♪ピアノ

古賀 夏美

♪フルート

浜川 慎司

岩崎 美由紀

♪オーボエ

畑中 雄大

♪ティンパニ

萩原 広充

♪パーカッション

吉澤 克哉

福薗 立盛

石塚 政俊

岩崎 美由紀

♪舞台監督

林田 俊一

♪音響

岩崎 恵介

♪撮影

末藤 貴大

※この記事は、月刊ハーモニー2024年10月号「新堀ギターオーケストラ公演 2024(メインコンサート)ズームアップ」、コンサートの当日に会場で配布いたしました「新堀ギターオーケストラ公演 2024 プログラム」を基に作成しています。