第56回 新堀ギター・キャンドルコンサート
【歴史】
12月には新堀ギターのモットーである「心の糧になる良い音楽を全ての人々へ」を最も表わした新堀ギタークリスマス(チャリティ)コンサートが日本各地で行なわれます。このコンサートは「キャンドルコンサート」の名で長年親しまれてきました。
昨年は、本部主催のものもコロナ感染症が広がり開催できなかったのですが、今年は新堀学園シュトラウスホールで開催する事となりました。例年は複数の会場で行なっていたコンサートシリーズですが、今回はまず本校のホールで2公演、入場人数制限あり、配信もありで再開します。
このキャンドルコンサートは、新堀寛己先生が1965年に訪れたザルツブルクのミラベルパレス(宮殿)で、キャンドルの灯りの下に行なわれている心温まるコンサートに感銘を受けて、皆が知っている親しみやすい曲を指揮者(新堀先生)が曲の解説も行なうコンサートとしてスタートしました。これは当時の日本では非常に稀な事で、賛否両論でしたが、このコンサートによって大変に多くの音楽&ギター愛好者を日本で増やす事ができたのは確かでしょう。
お客様からの募金とコンサートの収益金から、日本赤十字社やユニセフ等に寄付を長年続けているチャリティーコンサートでもあります。
そして、国連NGO(国際平和促進委員会)はじめ、平和に寄与した賞を受賞するきっかけとなったコンサートであるとも言え、2003年からは国連NGOのWPPS(World Peace Prayer Society),五井平和財団のご協力も得て、このコンサートのメインとなるものには「平和を願って」と掲げ、万国旗をステージ上に飾り、平和を願った歌や曲をプログラムに入れるようになりました。
また、その年のラストコンサートになりますので、新堀ギター1年間のコンサートを通して人気の高かったものも演奏されます。
【2021年 プログラム】
まず、寺田和之先生指揮のNオケ(新堀ギターオーケストラ)では、早川正昭先生作の「バロック風・日本の四季」より「冬」。このバロック風シリーズは、日本人にバロック音楽に親しんでもらおうと、早川先生が日本の童謡・唱歌などをバロック風にアレンジしたもので、「冬」では1.雪,2.ペチカ,3.春よ来い の3曲で全3楽章となっています。出だしはヴィヴァルディの「四季」から「冬」かと思いきや、「雪やこんこ」のメロディーが聞こえるという、バロックの名曲(四季)も織り込まれた素晴らしい作品で、ギター合奏にもとてもよく合います。
それから9月のNオケ公演でもご好評を頂いた「オリオン」も再演されます。これは畑中雄大氏(Nオケメンバー,国際新堀芸術学院講師)が、宮城県大河原商業高校ギター部の為に作曲した、冬の星座「オリオン」を描いた曲です。
また今回は畑中氏の新曲「ギター弾きの集う酒場」が初演されます(副題をつけるならば「宴会の復活を願って」との事)。この曲は、酒場の賑やかさを表現するためにケルト音楽をベースに使用したとの事で、「カナリオス」などクラシックギターの名曲が登場します。酒場にギター弾きが集まり、各人がギターの名曲を演奏してしまう様子が描かれているようで、ギターファンにとってはいっそう楽しい曲になっています。
また今回Nオケは素晴らしいゲスト、湘南のシンガーソングライターとして活躍中の、てつろうさんと共演いたします。てつろうさんはライブやラジオ番組で活躍し、多くのCD・DVDを出され、国際新堀芸術学院講師も務めて頂いています。
今回の共演曲は「春はまた来る」と「No More Fighting」の2曲で、どちらもてつろうさんのオリジナル曲です。「春はまた来る」は、美しい日本の四季も綴った東日本大震災復興支援・応援歌ですが、コロナ禍から立ち直る応援歌とも捉えられます。語り掛けるような優しい歌声と温かいギタオケサウンドに癒されます。そして、明るく軽快な「No More Fighting」は、世界平和を願ったキャンドルコンサートにピッタリの曲です。
それから、こちらもキャンドルコンサートならでは!古楽器・カルカッシギター(1816年の楽器を復元したもの)とラコートギター(1824年当時の楽器を復元)+ギタロンの伴奏によるハンドベルアンサンブルの演奏では、カッチーニの「アヴェマリア」が予定されています。
他、今秋デビューしたギターアンサンブル湘弦がチャイコフスキーの「花のワルツ」、Twinkle(5重奏)が「サンタが街にやってくる」(Mブーブレ~畑中雄大編)を、そしてDanrok(男性6重奏)が、メンバーの堺大夢作の新曲「Ariamis」をご披露する予定です。以下、作曲者の堺氏より…今回Danrokが演奏する『Ariamis(エレーミアス)』は、7/23に行なわれた「ギターデュオの饗宴」にて堺&田口尋夢のデュオで演奏した楽曲が元となっています。構成はシンプルですが、THE・変拍子のこの曲は1小節ごとに拍子が変化し、声部ごとに拍の取り方が異なる律動と旋律の奔流、交わってまた離れてを繰り返す想いと閉鎖的な空間をイメージしています。今までにないDanrokの新たな表現、ご期待ください。…との事。楽しみです!
そしてラストは恒例、ギターで作曲された「聖夜」(1818年12月25日 聖ニコラス教会で初演!)をお届けします。この音楽をBGMにした指揮者のお話も楽しみなところです。
皆様に、素敵なクリスマスの一時をプレゼントできましたら幸いです。
- 第56回 新堀ギターオーケストラ・キャンドルコンサート
12月19日(日) 第1部13:00開演 第2部16:00開演(第2部のみ生配信あり)
会場:新堀学園・シュトラウスホール
※第1部、第2部とも満席となりました。配信チケットは販売中です。
<指揮とお話> 寺田和之,田口尋夢,他
<共演>てつろう(シンガーソングライター)
<出演>新堀ギターオーケストラ(Nオケ),Danrok,Twinkle,ギターアンサンブル湘弦,ハンドベルアンサンブル
入場料 一般¥4,000 小中高生¥2,000
配信チケット¥2,000(16:00開演生配信,アーカイブもあり)
〔チケットお取り扱い〕新堀ギター音楽院各教室,新堀ギター総合案内TEL.0466-23-8338
メール:info@niibori-music.com 新堀楽器Web Shop(配信チケットのみ)